第33回試飲会レポート 2023.03.02

第33回試飲会レポート 2023.03.02

今回はイタリアワイン限定の試飲会でした。南イタリア6種に北イタリア2種です。

 

カンティーナ・ジャルディーノ / ナ [2021] Cantina Giardino/ NA

カンジャルのスタンダードライン。これまではマグナムボトルのみの瓶詰めでしたが、コロナでイタリアのレストランが閉まった際に生まれたワイン。白を「NA」ロゼを「TU」赤を「RE」と名付け、3つ並べるつ「NATURE」となります。

開けたてはやや揮発酸を感じますが、すぐに気にならなくなります。柑橘系の爽快感があり、優しいレモネード的な味わいグビグビいけちゃいそうな美味しさです。

 

ラ・カラブレッタ / カッリカンテ [2021]

続いてはシチリアの白。多分樽で熟成されているのかとても厚みがあり、コクのある白ワインです。しっかりと塩味やミネラルも感じることができ、魚介類はもちろんのこと、鶏肉なんかにも寄り添ってくれそうな感じです。

 

アリアンナ・オッキピンティ /  ヴィーノ ディ コントラーダ ビアンコ サンタ マルゲリータ[2021] Arianna Occhipinti / Vino di Contrada SM (Santa Margherita) Grillo

こちらは還元が少し強めでした。30分くらい経つと気にならないくらいになります。ボディがしっかりとした白ワインで酒質の高さを感じます。色味はやや濃いめの黄色で、オレンジではありません。48時間という短めのマセラシオンをしたワインですがその塩梅が絶妙!

確かアリアンナは濃くて野暮ったい赤ワインがすきではなかった、と聞いています。アリアンナの赤も存在感がある果実味ながら、濃さや野暮ったさとは無縁のワインです。この白ワインもおそらく同じ哲学で作られていることが窺えます。長期間のマセラシオンを施していたら、おそらく色調もオレンジのボディが強いワインになったことでしょう。そうしなかったことでボディもありながらも、ミネラルを含み、タンニンも程よいワインになりました。半年後はもっと良くなっている事と思われます。

 

カンティーナ・ジャルディーノ / トゥ [2021] Cantina Giardino/ TU

こちらも少し還元。(すぐに取れます)優しくさっぱりと飲める優しい味わい。伸びやかな果実味がとても心地よく、スルスルと身体に染み入ります。使っているブドウはアリアーニコ。この後ご紹介する「RE」でも使われている南イタリアを代表する品種で、濃いめの赤ワインに使われることが多いです。もちろんこのワインはロゼなので、とても優しく飲みやすく仕上がっています。

 

ラ・カラブレッタ / ロザート [2021]

同じ南イタリアですが、こちらはシチリアのロザート。塩味を感じます。シチリアの海風の影響でしょうか。カンジャルに比べると厚みを感じます。カンジャルの「NATURE」がセメントタンク熟成なのに対して、ラ・カラブレッタのワインは樽熟成なんでしょうか。充実した果実味があるロゼワインという感じです。

 

ニコリーニ / ピッコラ・ネーラ [2017]

イタリアとスロヴェニアとの国境近くで作られます。赤ワインとしてリリースされていますが、ロゼのような色合いです。絶滅危惧伝統品種ひとつのピッコラ・ネーラという品種。「ピッコラ=小さな ネーラ=黒」という名前の通り、小さな粒で、果皮の色も薄く、タンニンも少ないブドウだそうです
控えめな酸味とミネラル感。繊細で上品な果実味ですがどこか芯の通った感じがします。日毎の味わいの変化も楽しめそうな雰囲気があります。

 

カンティーナ・ジャルディーノ / レ [2020] Cantina Giardino/ RE

アリアーニコから作られる「NATURE」シリーズの赤。やはりこちらも他の2種と同様、優しい果実味が魅力です。濃すぎないのですが、はっきりとした味わいの存在感のある果実味。タンニンもきちんと感じますが、ビリビリする感じは全くなく、スイスイと飲めてしまいます。赤ワインとして求められる要素がしっかり詰まったワインだと感じます。

 

トロプフルタルホフ / ストルロンド[2019]Tropfltalhof / Storlond

最後はこちらのワイン。今日これまでの流れでこの北イタリアのワインを飲んでみると、完璧な締めとなるワインです。果肉たっぷりの滴り落ちるジューシーな葡萄感。上質で滑らかなメルローです。えぐみが全くなく、語弊を恐れずに言うとボルドー右岸のようなシルキーな味わいです。このワインがこの価格で飲めるというと、ちょっとビックリしてしまいます。